面接

面接の日取りを勘違いしていて、昨日だったようで、担当の人が居なくまたあらためてになってしまった。カウンターにいた女性が面接の日にちを間違えたあたしに対し明らかに呆れ顔で対応をした。

あたりまえか。

ショッピングセンター内にあるベーカリーの部門だった。パン屋は朝早いので、低血圧なあたしにはどのみち無理だったに違いない。きっと遅刻の嵐で、店に迷惑をかける。かと。

なおちゃんもきっと呆れ顔をするだろう。

けれど、面接に行ったということだけは告げよう。

なぜなら面接には出向いたのだから。

そのあと、職安に行き、職を閲覧する。デザイン系のお仕事があり、係員さんに取り合っていただき、

履歴書を郵送してくださいとのことだった。

証明写真を撮りに行く。何回も撮っているけれど、免許証の写真と証明写真はなぜこうも、ひどく疲弊を滲ませた顔で写るのだろうか。

ブスが飛躍し2回ほどチャレンジを試みたが無駄な抵抗と、無駄なお金を使ったことに、ひどく後悔。

カフェオレが飲みたく、少し離れたオープンカフェに行き、クロワッサン2つを付け足し、本を読む。

福引もどきのチケットをもらったけれど、使用期日が明日、明後日と表記されていたので、どうせ来ないし捨てようかと、紙をまるめようとしたとき、あたしの裏に多分3歳くらいの男の子がお母さんと並んでいたので、小さな手をとり、

あげる

と、握らせた。男の子は、口をポカンとあけお母さんの顔を一瞥する。

お母さんの方の口が開き、わ、ありがとうございます! とてもハツラツとした声で礼を言われた。

よかったねー、まーくん。後ろから声が聞こえ、

お母さんの優しい声音はあたしの琴線にふれる。

鬱々した気分が幾分晴れた気がしたので、クロワッサンをもう1つ買い、口に運んだ。

無職なのに、クロワッサン3つも、ベーカリーなんかで、洒落て食すあたしは本当は面接日を間違え、証明写真を2回も撮り直した、アホなおばはんです。

とは、いえない。証明写真は1回800円だということを一応書いておく。高いな。たくっ。