クリスマスと風俗
お客はクリスマスイブでもあたしを呼ぶらしい。
行きたくないな。
お金。お金。
クリスマスとか
熱い飲み物を寒いからといってわりと威勢良く啜ったら、口の中の天井から薄皮がめくれてしまい、それ以来何かを食べるのも痛いししみるしで、生ぬるいココアか、あるいは生ぬるいカフェラテ以外口にできない。コーンスープは何とか無理をして飲んだけれど、痛くて飲むのにひどく時間がかかった。
風俗の仕事にはとりあえず行っている。口の中が痛くても。なんだかイライラするけれど、そうは行っても食べれないので、食べることで苛立ちを抑えることはできない。
ケンタッキー食べたかったのに。
無理そうだ。
クリスマスが余計に嫌いになた。
くりぼっち
はー
自分が嫌い
なおちゃんと、別れた。
半年しかもたなかった。
メールだけで さよなら なんて時代だけに涙すら出ない。
twitter(SNS)の怖さ
あたしが会社を退職したのは、自分のtwitterに、自分の会社で行われているスーパーのチラシを制作途中で載せていたためだ。twitterは全て削除し、このまま逃げていようかと思ったやさき、会社の上司からメールがきて、賠償金の請求をされた。
大元のスーパーが印刷会社に依頼→そこからの外注の仕事だったので、仲介の印刷会社がお叱りをうけ、こちらに賠償金を請求してきたらしい。
なんだかめんどくさいので、いくらですか?と聞いたら大した額ではなかったので、払うと言った。
あたしが悪いし、あたしができるのならそうした方がよいと思ったからだ。
これで、もやもやも治るけれど、どうしてあたしのSNSがばれたのかが未だに謎である。
聞いても応えてはくれなかった。twitterには会社のこと、プライベートのこと、風俗嬢なこと、様々な文体が並んでいた。それを大元のスーパーの人が見つけおおごとになった。スーパーの人が全て見る→印刷会社の営業が見る→会社の上司が見る。という流れであたしがかなりやばいやつだと思ったはずた。
裸の写真や彼氏とのいやらしい写真も載せていた。
あたしの身体にはたくさん刺青が入っている。
穴があったら入りたい。恥ずかしさはすでに通り越した。
なおちゃんはまだ、就職きまらない?とかメールがくる。風俗の仕事はしてるよ。などと到底言えない。
疲れたし、別れてお金を稼ぐことだけに邁進しようかとも思う。
嘘が疲れた。
なにもかもがいやで死にそうだ。けれど、子ども2人がすでに半日で帰ってくるので、昼ご飯はつくらなくてはならない。子どもたちは何も知らない。
あたしの子どもなのに、2人とも公立高校にいき、
成績もよく、なんだかとても恥ずかしい。子どもらの方が大人に見える。
高3のりゅうは大学にいくため、今猛勉強中だ。
子どもは親を選べない。こんなお母さんでごめん。
と内心毎回思いつつ、飯の支度をする。
別れても別れても
不倫していた彼からたまにメールがくる。だいたい2週間おきくらいだ。暇な日の時間があるときの遅くなっても大丈夫な日の3つがうまく重なった日=性欲が溜まって来た日にメールがくる。
あたしの方は風俗の仕事のおかげ(おかげではない)で性欲は食傷気味だ。ただ、好きな男(なおちゃん)に抱いてもらえないことが不満なのだけれど、よく考えてみたら別に欲求を満たしたくて、なおちゃんに抱かれたいのではないことに気づく。ただ純粋に抱きしめて欲しいだけなのだ。抱いてではなく、抱きしめて。の5文字を口にすれば済むことだったのだ。
不倫をしていた彼にまた、抱かれた。抱かれたというより抱きしめられた。愛しすぎて憎んだりもしたし、彼のためにどれだけ涙を流したかわからない。
無論奥さんにもばれて、あたしの方も旦那にばれて離婚をしたのに、彼は離婚をしなかった。
男の浮気と女の浮気は違うんだとつくづく思った。
別れても別れてもどうしても身体を重ねてしまう。
けれど、実は重ねているのは、身体ではなく心かもしれない。憎さも、愛おしさも通り越した今。
彼、修ちゃんの存在はなくてはならないものだと痛感するも、その裏側の背徳感と罪悪感だけは毎回拭えず、あたしの乱れた心はいつ律すればいいのか全く皆無なまま、修ちゃんに背中を噛まれ、ひどい声をベッドに落としあたしは、奈落に突き落とされる。
あたしを熟知している修ちゃんは、あたしの心を解放するけれど、逆もしかりで、あたしの心を閉ざしているのかもしれない。
ゆうきくん
デリヘルの仕事で隣の隣の隣町まで行った。
1時間を要する遠征。往復2時間。遠い。無駄な時間だよ。と、ドライバーのゆうきくんに嫌味をぶつける。無駄にといえば、ゆうきくんも無駄に顔がいい。あたしより、6歳下の男の子だ。
遠いので車に酔うので、寝ていたら、
あ!すごい!
と、運転席から声がし目をあけ窓の外に目を向けると一面に広がる電飾の夜警が、煌々とひかり、揺れていた。
遠くに来てよかったことにしてください。ゆうきくんがあたしに一瞥したしなめる。
あたしは何も言わず、ただ、夜景に目を落とす。
確かにそうだよね。ゆうきくんが悪いわけでもないのに憮然とした態度を取ったあたしはなんて稚拙なのだろうと反省し、酔いながらブログを書いている。
やばいなぁ。本当に吐きそう。